育った町を歩く
小学校一年生の途中で越してきて、
中学一年生の途中で嫌々離れた
埼玉県所沢市東狭山ヶ丘。
私なんかいなかったみたいに
みんなの生活が続いていると思うと
悔しくて
大きくなって近くに住み始めてからも
狭山ヶ丘駅では降りれないままでした。
変わらない駅のロータリーに降り立って
願えばどうにかなると思っていた
中学生の自分がぼろぼろ泣きました。
母の日にカーネーションを一輪買った花屋さんも
子どものお小遣いで何かしら買えた
よく分からないお店「なかよし」も
自転車で来た当時のままでした。
本当はこの町でみんなと一緒に
大人になるまでずっと暮らしていたかった。
背の低い住宅街や
茶畑や
虫取りをしていた林とか。
写真はあんまり撮れなかった。
家族がみんないた頃に住んでいた家とか、
同じ表札の名前のままのお向かいさんや
斜向かいのおうち。
当時のままのものをたくさん見て、
やっぱりいい町だったと思いました。
子どもの頃の生活に、
やっと終止符が打てたと思った。
町並みが変わっていってしまう前に、
今度こそ写真を撮りに、
もう一度行きたいな。
ゆずゆ