全国手話検定5級を受けました
手話の検定には、
手話でのコミュニケーション能力を測る全国手話検定試験(1〜5級)と
手話の言語としての技能を測る手話技能検定(1〜7級)
の2種類があります。
初めての手話の試験は、
面接も経験できる
全国手話検定試験にしました。
手話の勉強歴は、独学でゆるく1年程度。
ろう者(耳の聞こえない方)との
交流の機会がまだないため、
家で旦那に一方的に
手話で話しかけて練習しました。
自宅に届いた受験票には
整理番号が記載してあり、
それが当日の受験番号となります。
私、試験、番号、◯、◯
事前に家で練習しました。
読み取り試験対策
YouTubeで、5級レベルの単語を
紹介してくれている動画があるので、
見ながら真似して、覚えました。
昨年の過去問をネットで購入したので、
友人と一緒にDVDを再生して、解いてみました。
「始まるよ!しーっ」ってしたのに
試験問題は当然ながら無音でした。
問題は四択のマークシート形式。
映像は3回ずつ流れます。
単語の読み取り(30問)は、
知らないものもいくつかありましたが、
口の形でもはっきりと表現してくれているので
推測は容易です。
短文の読み取り(10問)では、
(例)
手話の映像:姉と一緒に映画を見に行きました。
楽しかったと言っていました。
問い:なんと言っていたでしょうか?
といった問題が出ます。
こちらは、推測だけでは難しく、
答えとなるキーワードだけ読み取ることができたり、
3回目でやっと分かったりすることもありました。
5級レベルの単語は2/3程度しか
カバーできていなかったので
やや不安でしたが、過去問では満点でした。
面接試験対策
こちらも主にYouTubeを見て
練習しました。
スピーチ1分、
面接官との会話2分。
5級のスピーチのテーマの出題範囲は、
自分や家族についての
好きなこと・嫌いなこと、得意なこと、
趣味などについてです。
試験当日の待ち時間にも確認できるように、
ノートにまとめながら対策しました。
▼ノートにまとめておいたこと
・私の誕生日は◯月◯日です
・私の年齢は◯歳です
・私の家族は、◯◯(父)、◯◯(母)、…の◯人です。
・自分と家族の仕事
・自分と家族の好きなことや嫌いなこと
・自分と家族の得意なことや苦手なこと
・自分と家族の趣味
・自分の好きな動物と嫌いな動物
▼追加で対策したらよかったこと
・あなたの好きな△△は? → ◯◯です。
💡△△には、5級レベルの単語が入ります。
色、運動、食べ物、など。
これから受検される方は、
5級の単語一覧を見て、
△△に当てはまりそうな単語と
それに対する返答を
書き出しておくとよいです。
試験当日 〜全体の雰囲気〜
受付10分前に会場のビル前に到着しました。
40〜50人ほど、歩道に待機していました。
定刻になり、建物内に入る時に、
小学生らしき女の子が
見送りに来たお母さんから
「がんばってね!(手話付き)」と
応援されていて、
グッときました。
私もがんばろう。
受験番号の座席に着くと、
面接の部屋が記されたカードを入れる
名札ストラップと、
胸に貼る受験番号のシールがありました。
女性のほうが多く、
一部の男性用のお手洗いが
女性用に変更してあるほどでした。
30代くらいからおじちゃんおばちゃんが多い感じ。
学生さんや小学生もたまにいました。
私の会場には150名ほどいました。
私語は慎む、カバンは机か椅子の下へ
…など、当たり前の試験会場の約束事は
なんだかあやふやで、
おじちゃんおばちゃんたちは
だいぶ自由にしていました。
スクリーンの位置が見えにくくないか、
という確認に対して、
「ちょっと見づらいです…」と一人始まると、
あとからあとから、
「自分もちょっと見えにくい」「見えないかも…」
「立って見てもいいですか?」と
続く続く…。
面接会場に案内されるまでの待ち時間でも
近くの人とおしゃべりしている人が多く、
「携帯電話は使用しないでください!」
の注意までありました。
いつも受ける試験は
若い人が多いものばかりだったので、
驚きました。
同時に、
「受かるな〜」とも思いました。
だってこの検定、
合格率90%超えだし…。
試験当日 〜読み取り試験〜
メインで案内をしてくれるスタッフが
ろう者の方で、
初めてちゃんと見る本物の手話に
感動しました。
手話での表現って、
たまにちょっとキツく見える時があるけれど、
誤解のないように
分かりやすくはっきりと伝えることが
大切なんだなと分かりました。
後方から、別のスタッフが
マイクで口頭の通訳を入れてくれていました。
読み取り試験は、
過去問に取り組んでいたこともあり、
安心して受けられました。
2〜3問、あやしかったかな〜。
試験当日 〜面接試験〜
案内された順に
(受験番号が遅い人が最後というわけでは
ありませんでした)
別室に移動しました。
私の待ち時間は30分ほどでしたが、
後の人たちは倍以上待っただろうと思います。
面接部屋の中へは10人ほどが
まとめて案内され、
パーテーションで仕切られたスペースに
割り振られていきます。
「隣のスペースの内容聞こえちゃうじゃん…!」
と思いましたが、
そういえば、音の不要な面接でした。
英検の面接とは違って、
面接官が評価するのではなく、
録画したビデオで後から
判定するようでした。
心理的にありがたい!
面接官は一人で、
にこにことあたたかい方でした。
ハローも失礼しますも無い面接。
ぺこ☺️(こんにちは)
ぺこ☺️(こんにちは)
ぺこ☺️(よろしくお願いします)
ぺこ☺️(こちらこそ〜)
ぺこ☺️(座らせていただきます)
ぺこ☺️(どうぞ〜)
という感じで面接がスタートしました。
以下、手話でのやり取り(面接官・私)
受験番号と名前を教えてください。
私の受験番号は〇〇です。
私の名前は〇〇 〇〇です。
よろしくお願いします。
〜1分間スピーチ〜
テーマ(目の前の紙に書いてある):
あなたと家族について話してください
私の家族は、私と夫の2人です。
私の仕事は〇〇で、〇〇をしています。
私の夫の仕事は〇〇で、〇〇を使っています。
私の趣味は音楽で、歌とギターが好きです。
私の夫の趣味は釣りで、川に行きます。
※これでぴったり1分。
うまくまとまったけど、具体的なことまで
説明を付け加えてしまったので、
あとで簡単な質問をしてもらうための余地を
残してもよかったかもとも思いました。
〜会話(2分間)〜
好きな食べ物は何ですか?
私の好きな食べ物は、ケーキです。
好きなケーキの種類は何ですか?
…分かりません☺️💦
(読み取れない長めの質問)
…分かりません☺️💦
(それはさておき、のような手話のあと)
好きなスポーツは何ですか?
私は、登山が好きです。
登山は、ご主人と一緒に行きますか?
はい、私は夫と一緒に行きます。
前に、栃木に行きました。
登山は、ずっとやっていますか?
はい、ずっと好きです。
仕事はどの手段で行きますか?
…電車☺️💦
好きな色は何ですか?
私の好きな色は、赤です。
赤い服はたくさんもっていますか?
はい、たくさんです。
※分からないものもありましたが、
「分かりません」ということを伝えることができました。
「もう一度お願いします。」も覚えていきましたが、
2分間という短い時間の中では、
次の質問にどんどん移ってもらったほうが
いいと感じました。
分からなくても、面接官の方も
「そうだよね、ごめんね☺️💦じゃあ…」
と、優しい表情でした。
「電車」は、直前の読み取り問題で
出てきたものをあやふやに思い出しながら、
弱気な各停みたいな電車が
自分の手から発車してしまったし、
色の単語は「赤」しか分からず、
好きな色は赤ということになりました。
余談 〜私と手話〜
私が手話に惹かれたのは、一年前。
サークルの大規模な飲み会で、
ちょっと遠くに座っている友達に
話しかけようとした時のこと。
借りていた本を返したいということを
本を開くようなジェスチャーで伝えたら、
「手話でも、『本』ってそうやって表すんだよ」
「『読む』はこうやって表すから、
『本を読む』って続けるとこうなるよ」と。
英語学習大好きTOEIC960点、
学生時代に英語以外にも4ヶ国語に
手を出した私に衝撃が走る。
文字も音声も必要としない
言語があるんだ。
『こんばんは』『久しぶり』
『会えて嬉しい』。
友達の驚く顔が見たくて、
次に会う時までにいろいろ覚えた。
YouTubeにも手話を教えてくれるチャンネルが
たくさんあって、
ドライヤー中は手話タイムになった。
前後や上下など空間を使って表現すること、
肯定文・否定文・疑問文は
表情を使って表現することなど、
視界からの情報だけで表現する言語は
新しいことだらけで、
すぐにハマった。
ろう者と交流する機会はまだないけれど、
いずれはそういうチャンスが
あったらいいなと思うし、
耳の不自由な方の生活についての
理解も深まるといいなと思う。
来年は4級。
がんばるぞ!
ゆずゆ