闇を歩く
2025年、お正月休み。
『灯りを消して歩く、
新しいナイトハイク』、
闇歩きに参加しました。
闇歩きガイド 中野純先生主催
新春闇歩きツアー
「多摩丘陵きぶん屋の流星群
ムーンセットウォーク」
前日の正午参加締め切り、
あと半日というタイミングで
今回の闇歩きの開催を知り、
一晩考えて、ソロ参加を決意しました。
▼参加の決め手
・都心からアクセスしやすい
・17:30〜22:00ごろという
気軽に参加できる時間帯だったこと
・運がよければしぶんぎ座流星群が見られるかもしれないこと
・開催時間中に月が沈んで暗くなるので、闇を体験するのに好条件だと思ったこと
17:30 小田急線 唐木田駅 集合
朝から空港やら海沿いの駅やらで
シャッターを切って遊び回って
正直すでにクタクタだったものの、
この手のイベントに参加するのが初めてで
向かう電車では寝られませんでした(心拍数119)。
くるりのアンテナを聴きながら
唐木田駅に到着しました。
カメラを3台持っていたため
ロッカーに2台預けて、
改札前で御一行と合流しました。
みなさん、ハイキング装備だったので
ひと目で分かりました。
全員で11名(うちほとんどが女性、
みなさま40,50代くらいかな?)。
参加費の2200円をお支払いし、
時折、中野先生のおだやかなトーンの
お話を楽しみながら、
多摩丘陵へ。
普段だったら入ることを躊躇う暗さ。
その道のプロが先陣を切ってくれているので
安心して後に続きました。
はじめは眼下に見えていた街の明かりや
聞こえていた生活音(特に救急車の音)は、
次第に遠ざかっていきました。
体や心の感覚は、
登山で感じるものと似ていました。
一歩一歩踏みしめる地面や、
吸い込んだ空気と
自分が一体になってくる。
あたりが薄暗いことで、
その感覚が研ぎ澄まされる感じがありました。
繊細。過敏。
自分が普段振り回されがちなものを、
街に置いてきたようで、
不思議と安心しました。

さて、灯りをつけないまま歩く
夜の多摩丘陵の暗さはというと。
想像していたよりも
(初めてのジャンルだったので、
実際には想像すらできなかったのだけれど)、
足元が分かる。
うっすら明るい気がする。
もう月は沈んでいるし、
曇ってどんよりした空模様なのに。
都会の明るさは、
空一面の雲に反射して
それだけで明るいんだそうです。
面白い。
途中、
「もう少し行った先にある橋で
寝転んで休憩しましょう」
と、中野先生。
夜は、自由だ。
子どもの頃に夜遅くに外出しているような、
ちょっとズルして保健室で寝ているような、
ワクワク感が込み上げました。
橋って、寝っ転がっていいんだなあ。
いい子でいようとしてしまう自分と向き合う。
いい子な自分も街に置いてきたことにする。
相変わらず雲は分厚かったけれど、
その上に広がっているはずの星空を思い浮かべました。
丘陵の上の方まで着くと、
街を見下ろせました。

なんだか一丁前に、
向こうは街の人たちで、
こちらは闇の人たちな気がしてくる。
今回は、芝生に円になって座って、
軽く自己紹介をする時間がありました。
こういう方達と一緒に歩いていたんだな、
と初めて分かる。
お顔までは見えないけれど。
みなさんの好きな闇について
教えていただいて、面白かったです。
針葉樹、紅葉樹、竹…
場所によって、闇の感じが異なるんだそう。
自分の知らないところで、
こんなことをひっそりと楽しんでいる人たちがいたのかと、
感動しました。
4時間ほどのナイトウォーク。
丘だったので疲れるということもなく、
下りもいい気分で歩くことができました。
参加者の方々は、時折お話もしつつ、
基本的にはみなさんあたりの音や
足音を楽しみながら
ただただ歩いていて、
それが心地よかったです。
唐木田駅に戻ってくると、
それでもやっぱり安心しました。
駅だ〜。
帰りの電車の車内が
明るくって驚きました。
まぶしいなあと思いながら、
明るい我が家に帰宅しました。
中野先生、
闇歩きの先輩の皆さま、
親切にしてくださりありがとうございました。
夜の新しい楽しみ方を
発見しました。
ゆずゆ